プリキュア・イターナルサンライズ!

プリキュアは2023年に車椅子の巨乳科学者・虹ヶ丘ひろみ/キュアヘリオと三体合体巨大ロボ「イターナルV」が登場し、2024年は火星が舞台のロボット刑事ものになるのです。

劇場版魔法少女まどか☆マギカ ほむらを無間地獄に突き落とすまどか

劇場版のまどかは自分の命よりさやかが大事で、彼女のしあわせが願いだった。さやかに代わって魔女を殺せば彼女が幸せになれるだろうと考えた。まどかはさやかが死んだのはほむらのせいだと思っていて、彼女を地獄に突き落としてやろうと思った。

まどかは最終的にはほむらを理解して、彼女のことは友だちだと思うようになった。友だちにウソをついて地獄に落とそうとしたので、まどかは苦しんで魔女化した。まどかは世界を魔獣が勝手に湧いてくるように改変し、彼女はほむらをはげましつつ、永遠に魔獣と戦わせた。

まどかの願い

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ほむらの最初の印象は最悪

まどかとさやかはほむらがキュゥべえをいたぶっていたと誤解し、さやかが消火器で応戦した。これでは彼女が何を言っても信じてはもらえず、かなえたい願い事があるさやかが魔法少女になるのは避けられなかった。

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「今のあたしはねえ、魔女を殺す、ただそれだけしか意味のない、石ころなのよ」
さやか「こんな姿にされた後で、何があたしのためになるっていうの」
まどか「さやかちゃん…」
さやか「今のあたしはねえ、魔女を殺す、ただそれだけしか意味のない、石ころなのよ
さやか「死んだ体を動かして、生きてるふりをしてるだけ」
さやか「そんなあたしのために誰が?何をしてくれるっていうの?」
さやか「考えるだけ無意味じゃない」
まどか「でもあたしは…どうすればさやかちゃんがしあわせになれるかって
さやか「だったらあんたが戦ってよ」

さやかは自分を心配してくれているまどかに八つ当たりしたが、まどかは真に受け、さやかのしあわせのために自分が魔法少女になろうと本気で考えるようになった。まどかの一人称が「あたし」なのはさやか(と仁美?)だけで、ほむらには「わたし」なのでさやかほど大事な友だちではないようだ。

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まどか「あなたと契約したら、さやかちゃんの体を元に戻せる?」キュゥべえ「その程度、きっと造作もないだろうね」

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まどか「さやかちゃんのためなら」「いいよ、わたし、魔法少女に」

まどかは自分が犠牲になればさやかの体を元に戻せると知り、彼女を助けるために魔法少女になろうとしたが、ほむらの邪魔がはいった。まどかは自分の身よりもさやかを大事に思っていることがわかる。

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「今度こそ理解できたわね」「あなたが憧れていたものの正体が、どういうものか」

魔女化したさやかの死体を持ち帰った。杏子はほむらが時間を繰り返していることを知らないので、彼女のことを事情通だと思っている。そのためまどかはさやかが死んだのはほむらが魔法少女のことを黙っていたり、まどかが契約する邪魔をしたりしたせいだと考えた。

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まどか「ほむらちゃんも、手伝ってくれないかな」杏子「あいつはそういうタマじゃないよ」

さやかに執着するもの同士で彼女を蘇生しようとしている。筋違いだがここでもまどかのほむらへの不信がつのる。杏子はほむらを危険から遠ざけたのが本当だが。

 

最終的にまどかはほむらが自分を助けようとしてくれていることを理解し、彼女のことを友だちだと思った。だからほむらを助けることが正しいと考えたが、本心ではさやかの仇をとりたいと思っていた。

まどかの選択

まどかは自分のことを「弱虫で、ウソつき」だと思っていた。

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まどか「罰なのかな、これって」「きっとわたしが、弱虫で、ウソつきだったから」「バチが、当たっちゃんだ」

まどかがついたウソは、魔法少女になることをマミと約束したが、ならなかったこと。マミが死に、さやかが先に魔法少女になったことで、彼女はこのことを気にしていた。

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「まーどかー。あんたはいい子に育った」「ウソもつかないし、悪いこともしない」「いつだって正しくあろうとしてがんばってる」「子供としてはもう合格だ」

まどかの母親は、まどかを「ウソもつかないし、悪いこともしない」と評した。テレビシリーズと異なり、劇場版では「ウソ」が物語の中心を占める。

 

一人でワルプルギスの夜と戦うほむらのところに行こうと、避難所の階段に来たときに母親と遭遇する。

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「ママはさ、わたしがいい子に育ったって、言ってくれたよね」「ウソもつかない、悪いこともしないって」

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「今でもそう信じてくれる?」「わたしを正しいと思ってくれる?」

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母親はまどかに手を伸ばそうとするも、やめてしまう

ほむらを助けることが正しいことだとわかっていても、そうすることに自信が持てないまどかは、母親に自分が「ウソをつかない、悪いこともしない」と信じてくれと願った。「信じる」ということばが欲しかったのだが、母親は応えなかったため、ウソをついて悪いことをする、つまりほむらを地獄に落とすことを選んだ。

この場面はテレビシリーズも全く同じ映像だが、「ウソ」に重きを置いていないため、「母親はまどかを引き留めようとしたが、彼女を信じて送り出すことにした」と正反対の意味になる。

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「まどか…」

劇場版の母親は大人としては問題アリに描かれており、まどかが作り変えた世界の、母親らしい彼女が、まどかの母親への本当の気持ちを表している。

まどか、魔法少女になる

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ほむら「まどか……まさか!」
まどか「もういい…もういいんだよ、ほむらちゃん」
ほむら「まどか…」
ほむら「まどか……まさか!」
(BGM:さやかのテーマ)
まどか「ほむらちゃん、ごめんね」
まどか「わたし、魔法少女になる」
ほむら「まど…か…」
ほむら「そんな…」
まどか「わたし、やっとわかったの。かなえたい願い事を見つけたの。だから、そのためにこの命を使うね」
ほむら「やめて!」
ほむら「それじゃ…それじゃわたしは…なんのために…」
まどか「ごめん、本当にごめん。これまでずっと、ずっとずっと、ほむらちゃんに守られて、望まれてきたから、今のわたしがあるんだよ。本当にごめん」
まどか「そんなわたしが、やっと見つけ出した答えなの」
まどか「信じて。絶対に、今日までのほむらちゃんを無駄にしたりしないから」
ほむら「まどか、はっ」
キュゥべえ「あまたの世界の運命をたばね、因果の特異点となった君なら、どんな途方もない望みだろうとかなえられるだろう」
まどか「本当だね」
キュゥべえ「さあ、鹿目まどか。その魂を対価にして、君は何を願う」
まどか「わたし…」
まどか(すーはー)
まどか「すべての魔女を、生まれる前に消し去りたい」
まどか「すべての宇宙、過去と未来のすべての魔女を」
まどか「この手で!」
キュゥべえ「はっ」
キュゥべえ「その祈りは…」
キュゥべえ「そんな祈りがかなうとすれば、それは時間干渉なんてレベルじゃない。因果律そのものにたいする反逆だ!」
キュゥべえ「君は、本当に神になるつもりかい?!」
まどか「神様でもなんでもいい、今日まで魔女と戦ってきたみんなを、希望を信じた魔法少女を、わたしは泣かせたくない、最後まで笑顔でいてほしい」
まどか「それを邪魔するルールなんて、壊してみせる、変えてみせる」
まどか「これがわたしの祈り、わたしの願い
まどか「さあ、かなえてよ、インキュベーター!」

まどかの「ことばには」ウソはない。「今日までのほむらちゃんを無駄にしたりしないから」ためにためた力で神様になります。「すべての魔女を、生まれる前に消し去りたい」さやかのかわりに魔女を殺せば、彼女がしあわせになれると思った。さやかを苦しめた魔女への復讐です。「今日まで魔女と戦ってきたみんなを、希望を信じた魔法少女を、わたしは泣かせたくない、最後まで笑顔でいてほしい」ほむらはまどかにはげまされて笑顔をみせます。まどかの祈りと願いはみなさやかのことで、博愛なんかじゃぜんぜんないのです。まどかが博愛的だという描写は何もありません。

 この「のまどか」の契約場面はテレビシリーズ版の、ウソつきではない正義漢の「のさやか」の魔女化場面と対応している。赤字が対応する場所。さやかはソウルジェムの最後の秘密を知らないので、何かヤバいことが起きそうだという予感で行動しており、それを杏子に伝える。

杏子「あんたさ、いつまで強情はってるわけ?」
さやか「悪いね、手間かけさせちゃって」
杏子「なんだよ、らしくないじゃんかよ」
さやか「うん、べつにもう、どうでもよくなっちゃったからね」
さやか「結局あたしは、いったい何が大切で、何を守ろうとしていたのか、もう何もかも、わけわかんなくなっちゃった
(BGM:さやかのテーマ)
杏子「あっ、うっ」
さやか「希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって、いつだったか、あんたが言ってたよね」
さやか「今ならそれ、よくわかるよ」
さやか「たしかにあたしは何人か救いもしたけどさ、だけどそのぶん、心には恨みや妬みがたまって」
さやか「いちばん大切な友だちさえ傷つけて
杏子「さやか、あんたまさか」
さやか「誰かのしあわせを祈ったぶん、他の誰かを呪わずにはいられない
さやか「あたしたち魔法少女って、そういう仕組みだったんだね」
さやか「あたしって、ほんとバカ」

善のさやかと悪のまどかは正反対であり、まどかは魔法少女にならずさやかを救えなかっことを後悔し、さやかは魔法少女になったことを後悔していた。まどかは「願い事を見つけた」から魔法少女になり、さやかは「わけわかんなくなっちゃった」から魔女になる。まどかの「これがわたしの祈り、わたしの願い」とさやかの「誰かのしあわせを祈ったぶん、他の誰かを呪わずにはいられない」から、まどかの願いが呪いであることが示唆される。それはさやかの、恨みや妬みからしてしまった「いちばん大切な友だちさえ傷つけて」とは反対の、復讐の元になされるもの、つまり、ほむらを地獄に落とすこと。まどかがいちばんヤバい女でした。

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まどかの魔女

友だちのほむらにウソをついた苦しみで、まどかは魔女化した。そこまでして復讐するんか…

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(がんばって)

1億年後ぐらいの見滝原市でしょうか、ほむらを笑顔にするためにまどかは彼女に(がんばって)とささやいています。こちらの世界では魔獣は勝手に湧いてくるので魔法少女は永遠に戦いつづけることができます。まどかはほむらのためにそういう世界に作り変えたのでしょう。魔女にはならないだけでぜんぜん救ってません、魔法少女。副題の「永遠の物語」ってこれのことかねえ。

ほむらは悪人なのか?

ほむらの目的は、まどかを魔法少女にさせずにワルプルギスの夜を倒すことである。マミと杏子はほむらの知らないところで魔法少女になったため止めることができない。残るさやかとまどかには敵対的な形で出会ってしまい、かなえたい願いがあるさやかが魔法少女になるのを止めるだけの信用がない。つまり、まどか以外の人物の魔法少女化はほむらには止めることができない。

ほむらは冷血漢か?テレビシリーズではそうかもしれない。

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【テレビシリーズ】
「ただなんとなくわかっちゃうんだよねー」「あんたがウソつきだってことを」

仁美と恭介をのぞき見したあとのマンションの廊下の場面で、さやかを助けたいと言うほむらに対し、彼女がウソつきだということがわかってしまうとさやかが言う。ほむらはそれを肯定し、さやかを助けるのは彼女が破滅していくさまをまどかに見せたくないためだと言う。この場面は劇場版では丸ごと削除された。劇場版のほむらも「さやかが破滅していくさまをまどかに見せたくない」から彼女を助けているのなら、その描写がどこかに必要だが、どこにもなくなってしまった。したがって、たとえほむらには目的があったとしても、彼女がそれだけの冷血漢だということはできない。ほむらはさやかと敵対していたので気がつきにくいが、彼女は温かな人間で、さやかにも思いやりを持って助けようとしていたと考えるのが自然だ。

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ソウルジェムの最後の秘密
まどか「さやかちゃん?!」
まどか「さやかちゃん、どうしたの?!」
ほむら「彼女のソウルジェムは、グリーフシードに変化したあと、魔女を生んで消滅したわ」
まどか「ぇ」

まどか「うそ…だよね」
ほむら「事実よ。それがソウルジェムの最後の秘密」
ほむら「この宝石が濁りきって黒く染まるとき、わたしたちはグリーフシードになる。魔女として生まれ変わる」
ほむら「それが、魔法少女になった者の、逃れられない運命」

ほむらはをソウルジェムの秘密を恋する杏子に知られたくなかった模様。杏子はゾンビのことも知らなかったし、魔女化するさやかを見て戸惑ってもいた。

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「知らなければ知らないままで、何の不都合もないからね」「事実、あのマミでさえ、最後まで気づかなかった」

彼女はソウルジェムをあまり濁らせないから、秘密を知らずに生きていくことができる。逆にまどかにはもう隠す理由がないので自分から話している。しかしほむらの態度が悪いのでまどかが誤解してしまった。

結局のところ、ほむらは思いやりのある人間で、何も悪いことはしておらず、マミやさやかも助けようとし、杏子には手を差し伸べた。地獄に落とされる理由などなにもない。が、彼女のまどかへの執着は地獄にとてもよく似合っている。