これはテレビシリーズと劇場版の比較ですわ。ストーリーの紹介ではありませんの。青字はテレビシリーズ、赤字は劇場版ですわ。
テレビシリーズはまどかさんの夢から始まりますわ。
このアニメでは、やたらと街灯がでてきます。ぶっちゃけ街灯は魔法少女を表しますの。この画面なら、杏子さんですわ。孤独に道を照らすイメージでしょうか。
キュゥべえ:でも、きみなら運命を変えられる
またまた街灯です。これは、まどかさん。
まどか:きゃっ
まどか:わたしなんかでも、ほんとになにかできるの?
まどか:こんな結末を変えられるの?
こんなセリフがある以上、劇場版でごっそり削られるのはやむをえませんわ。
テレビシリーズでは、ここにオープニングが入ります。劇場版では、鹿目家の朝を描いてからオープニングが入ります。
まどか:仁美ちゃんにまたラブレターが届いたよ。今月になってもう二通目
さりげなく自慢する仁美様ですわ。
まどか:でね、ラブレターでなく直に告白できるようでなきゃだめだって
さやか:あいかわらずまどかのママはかっこいいなあ
さやか:美人だし、バリキャリだし
このカットは劇場版にはありませんの。ここはテレビシリーズでは伏線だけど、劇場版ではそうではないということですわ。
仁美様ターンですわよ。
仁美:そんなふうに、きっぱりわりきれたらいいんだけど…
仁美:はぁ…
さやか:うらやましい悩みだねえ…
まどか:いいなあ…わたしも一通くらいもらってみたいなあ、ラブレター…
この仁美様ターンは上条くんへ「告白」するときと同じですの。テレビシリーズでは、ここはラブレターではなく、仁美様が恋と友情のどちらをとるか、悩んでいたことがわかりますわ。
さやか:かわいいやつめー。でも男子にモテようなんて許さんぞー
さやか:まどかはあたしの嫁になるのだー!
仲良し三人組が、恋愛の話をしていますわ。一度こういう文脈ができてしまうと、
これをやっているようにしか見えなくなりますの。
担任:はい、あとそれから、今日はみなさんに、転校生を紹介しまぁす
さやか:そっちが後回しかよ…
劇場版のみ、さやかの大アップが入りますわ。このセリフの重みが大きい、つまり、担任が子供っぽいことが強調されていますの。テレビシリーズと違い、劇場版は大人不在の物語ですの。
さやか:うわあ、すげえ美人
仁美様ほどではない美人の登場ですわ。BGMはどちらも「さやかのテーマ・オルゴールアレンジ」ですの。
まどか:あれっ?
まどか:うそ、まさか
テレビシリーズでは、まどかさんは夢を思い出しましたの。劇場版には当然ありませんわ。
担任:さーそれじゃあ、自己紹介いってみよう!
ほむら:暁美ほむらです。よろしくお願いします
担任:ん?(続けて?)
続けて?は劇場版のみです。ギャグがわかりやすくなりました。
保健室に向かうほむらさんとまどかさん。劇場版はBGMなしで、つぎの場面から入りますわ。
言いにくいときの仁美様ターンですわ。
テレビシリーズはBGMが終わりますが、劇場版はここから入りますの。入れ替わりですわね。
まどか:え、えっと、わたし、は…
まどか:大切、だよ…
まどか:家族も、友だちのみんなも、大好きで。とっても大事な人たちだよ
テレビシリーズのみまどかのアップのカットがありますの。劇場版では、家族や友だちより大事なことがあったということですわ。
ほむら:本当に?
まどか:本当だよ。ウソなわけないよ。
劇場版は、まどかさんのアップがなく、ずっとこのカットで会話してますわ。
ほむら:そう
ほむら:もしそれが本当なら、いまとは違う自分になろうだなんて、絶対に思わないことね
テレビシリーズのみ、ほむらさんの完璧超人の場面がありますの。
ほむらさんがまどかさんにガン飛ばすので、まどかさんがさやかさんの陰に隠れてしまいましたわ。
テレビシリーズのみ、仁美様がストローを使わずカップからズズズと音をたてて飲みますわ。さやかさんのコップには飲み物がまだ入っているので、ストローで飲めば音はたちませんの。劇場版ではカップの中身は見えませんわ。
さやかさんはダイエット中ですの。仁美様にはそんなものは不要ですけど。念のためにつけくわえておくと、上条くんのためのダイエットですわ。
まどか:あたしたちも行こっか
まどかさんはさやかさんが半分残しているのを見てますの。さやかさんがダイエット中なのはみんな知っているのですわ。
さやか:今日はピアノ?日本舞踊?
仁美:お茶のお稽古ですの
仁美:もうすぐ受験だっていうのに、いつまで続けさせられるのか
仁美様の美しいアップが、さやかさんの庶民ぶりを引き立てますわ。
仁美様も中学二年生のはずですが、「もうすぐ受験」というのは飛び級や留学でしょうか?なんにせよ、さやかさんやまどかさんともお別れですの。
さやか:まどか、帰りに、CD屋よってもいい?
まどか:いいよ。また上条くんのぉ?
さやか:えっへへ、まあね
庶民のさやかさんは小遣いのかなりを上条くんのCDにつぎ込んでますの。まどかさんも豪邸住まいの金持ちですから、さやかさんの懐の傷み具合はわかりませんの。
テレビシリーズにのみ、キュゥべえさんがほむらさんに追われるカットがありますの。
ひめさんでさえこの反応なのに、まどかさんとさやかさんはかなり頭が悪いと思いますの。
ほむら:そいつから離れて
まどか:だ、だって。この子、ケガしてる…
ヌイグルミ好きのまどかさんはキュゥべえを気に入ったようですわ。
さやか:まどか、こっち!
さやかさんはまどかさんの王子様ですの。
ほむら:こういうときに…
魔女の出現を知らずにキュゥべえを追いかけまわしていたようですわね。
さやか:なによあいつ!今度はコスプレで通り魔かよ!
さやか:つかね、なにそれ、ヌイグルミじゃないよね?生き物?
さやかさんは頼りになりますわぁ。
まどかさんは目をつぶってしまいましたの。
マミ:魔女は逃げたわ。仕留めたいならすぐに追いかけなさい。今回はあなたに譲ってあげる
ほむら:わたしが用があるのは
マミ:飲み込みが悪いのね。見逃してあげるって言ってるの
魔法少女同士は仲が悪いのが基本ですの。マミさんは出会ってすぐまどかさんの素質に気づいたのですわ。だから魔法少女になる前に友だちになろうとしてますわ。
ガラの悪いマミさんでしたの。
テレビシリーズのみ、マミさん宅に行ったのは回想になりますの。
マミさん宅のBGMはテレビシリーズのほうが明るいものになってますの。テレビシリーズではお茶とケーキで、友だちのいないマミさんのキャラクターを印象づけてますわ。このカットは劇場版にはありませんの。ほむらさんが杏子さんを自宅に招いたのも、彼女と友だちになりたかったからなので、孤独をマミさんの専売にはできなくなったのですわ。
雨のバス停の場面でも、排水口のカットがありますの。どうも、気持ちの変化を表しているようですわ。
まどか:ねえ、ママ?
まどか母:んああ?
まどか:もしも、もしもだよ?魔法でどんな願いごとでもかなえてもらえるって言われたら、どうす
まどか母:役員を二人ばかりよそに飛ばしてもらうわ
まどかさんが願いごとを一晩ずっと考えていたけど、現実的に考え出したということですの。
マミ:その上で、危険を冒してまでかなえたい願いがあるのかどうか、じっくり考えてみるべきだと思うの
劇場版には洗面所の場面はないから、願いごとが軽くなってますわ。
ここからテレビシリーズと劇場版でいったんわかれますの。テレビシリーズからいきますわ。
仁美:まああ!たった一日でそこまで急接近だなんて、昨日はあのあと、いったいなにが!?
さやか:いやあ…そりゃねえわ…さすがに…
まどか:たしかにいろいろ、あったんだけどさ…
仁美:でも、いけませんわ、おふたかた
仁美:女の子同士で、それは禁断の、恋のかたちですのよ~~~!
まどか:今日の仁美ちゃん、なんだかさやかちゃんみたいだよ
さやか:どういう意味だよ、それは!
おもしろいギャグですのに、劇場版では全部カットしてますの。まどかさんが天然だということは、マミさんのエピソードでも使われますわ。
もし仁美様のセリフが一般論ではないのなら、仁美様がさやかさんに恋をしていて、それを抑圧している、ということになりますの。もしそれで矛盾がないのなら、こちらのほうがおもしろいので採用ですわ。劇場版にはこの場面がないので、仁美様の想い人は恭介くんですの。
テレビシリーズは学校の場面ですけど、マミさん宅の場面がはさまってますわ。
マミ:魔女を倒せば、それなりの見返りがあるの
マミ:だから、時と場合によっては、手柄の取り合いになって、ぶつかることもあるのよね
マミさんの解説は劇場版にはありませんの。
さやか:気にすんな、まどか!あいつがなんかちょっかい出してきたら、あたしがぶっとばしてやるからさ
さやか:マミさんだってついてるんだし
マミ:そうよ、美樹さんはともかくとして、わたしがついているんだからだいじょうぶ、安心して
さやか:ともかくってゆうな
さやかさんはお調子者ですが、ストレートな物言いをしてますわ。
さやかさんも徹夜で願いごとを考えていましたの。
劇場版ではさやかさんが、少ないお小遣いで買ったCDをもって上条くんのお見舞いにいきますわ。この場面はテレビシリーズではもう少し後ろになりますの。スクショに「劇場版」と書いちゃったけど、共通ですのよ。
恭介:いつも本当にありがとう。さやかはレアなCDを見つける天才だね
上条くんは、CDなんか持ってきやがってと思っているのに、紳士ですわぁ♡
さやかさんもお姫様モードですわあ。さやかさんはこれが楽しみで上条くんのお見舞いをしていたんですの。感づきながら知らぬふりをして、相手を苦しめて自分が楽しい思いをしていたのですわ。(劇場版のみ)
この二枚は、さやかさんが魔女になるときの映像に挿入されますの。だからどうしたですが、かわいいさやかさんの映像に騙されてはいけませんのよ。
上条くんが涙を流してますの。あっちを向いて、さやかさんに涙を見せまいとしていますわ。さすが上条くん、お優しいですわぁ♡
テレビシリーズでは、バイオリンを弾きたがっていますの。劇場版では、さやかさんに涙を見せたくないので、手で拭おうとしてるのですが、上条くんの手は動きませんの。
さやかさんは、これをバイオリンを弾きたがっていると思いましたわ。
上条くんは、内心ムカついていて、自分も悲しいのに、さやかさんを気遣って悲しませまいとしているイケメンですの。さやかさんはここでも大事にされてますわ。それにひきかえこのクズ(劇場版)は…テレビシリーズはアホですわね。
さて、チャペルでの会話ですわ。
さやか:べつに珍しくなんかないはずだよ、命と引き換えにしてでも、かなえたい望みって
さやか:そういうのをかかえている人は、世の中に、大勢いるんじゃないのかな?
さやか:だから、それが見つからないあたしたちって、その程度の不幸しか知らないってことじゃん
さやか:めぐまれすぎて、バカになっちゃってるんだよ
劇場版にはこのカットとセリフはありませんわ。
転校生が姿をあらわしたので、まどかさんにかけよるさやかさんですの。
マミさんが遠くから見守っていますわ。
ほむらさんがマミさんを牽制するカットは劇場版にはありませんの。まどマギの横目といえば、仁美様ですの。
手前のオブジェの影は劇場版にはありませんわ。
まどか:ほむらちゃん!あの…
まどか:あなたはどんな願いごとをして魔法少女になったの
立ち止まってから
振り返りますわ。
劇場版は仁美様ターンから
次のカットでは振り向き終わってますの。
みなさん、言いにくいことがある場合に、仁美様ターンをするのですわ。
仁美:あら、ないしょごとですの?
まどか:えっと…
仁美:うらやましいですわ!
仁美:もう、おふたりのあいだに割り込む余地なんて
仁美:ないんですのね~~~!
テレビシリーズのみにある下校の場面ですの。仁美様は留学かなんかで、もうすぐみんなとお別れなんですの。「うらやましいですわ!」は、まどかさんのことですの。仁美様はどうもさやかさんに禁断の…
王子様とお姫様ですわ。まどかさんのモテはお姫様体質ですの。
飛び降りた女性を助ける場面の以下のくだりは、テレビシリーズにだけありますわ。
さやか:光、ぜんぜん変わらないっすね
マミ:取り逃がしてから、一晩たっちゃったからね
マミ:足跡も薄くなってるわ
まどか:あのとき、すぐ追いかけていたら
マミ:仕留められたかもしれないけど、あなたたちをほうっておいてまで優先することじゃなかったわ
まどか:ごめんなさい
マミ:いいのよ
さやか:うーん、やっぱりマミさんは正義の味方だぁ!
さやか:それに引きかえ、あの転校生、本当にムカつくなあ!
劇場版では都合が悪いのですわ。マミのセリフかしら、さやかのかしら。
さやか:うわ、うわあ
まどか:すごーい
マミ:気休めだけど、これで身を守る程度の役には立つわ
まどか:怖いけど、でも…
かっこよく戦うマミさんにまどかさんが見とれていますの。得意なことがなにもなく、劣等感をかかえていたまどかさんの自尊心が少し高まったという感じですわ。
こういう役の立ちかたでした。
マミ:あと一度くらいは使えるはずよ
マミ:あなたにあげるわ、暁美ほむらさん
マミ:それとも、人とわけあうんじゃ不服かしら
と言って、マミさんはグリーフシードをほむらさんに投げましたが
ほむら:あなたの獲物よ
ほむら:あなただけのものにすればいい
マミ:そう、それがあなたの答えね
受け取ってもらえませんでしたの。マミさんにとっては、ほむらさんからケンカを売ってきたようなものですわ。
グリーフシードを投げるのは、あとは、さやかさんが杏子さんに(受け取る)、テレビシリーズのみほむらさんがさやかさんに(受け取らない)、とありますわ。
さやか:くうう~、やっぱり感じ悪いやつ!
まどか:仲良くできればいいのに
マミ:おたがいにそう思えれば、ね
さやかさんが横目でマミさんを見ているのは、「感じ悪い」と言ってしまい、バツが悪かったからですわ。
まどかのモノローグ:かなえたい願いごととか、わたしには難しすぎて、すぐには決められないけれど、でも、人助けのためにがんばるマミさんの姿は、とてもすてきで、こんなわたしでも、あんな風にだれかの役に立てるとしたら、それは、とってもうれしいなって
テレビシリーズでは、モノローグは途中からまどかが日記を書いている映像になり、最後はノートのアップ、劇場版では、途中から見滝原市の風景と、最後に鳥観図になりますわ。
テレビシリーズでは、一回目の上条くんのお見舞いの場面がここにきますの。
劇場版ではこの場面は、チャペルの場面の前にありますわ。
マミ:使い魔だってほうっておけないのよ
マミ:成長すれば、分裂元と同じ魔女になるから
テレビシリーズでは、さやかさんがマンションの通路の使い魔を退治したのが、人を助けるためだとはっきりしますわ。 劇場版ではその場面はありませんの。
これもテレビシリーズだけですが、交通事故で瀕死のマミさんがキュゥべえと契約しましたの。劇場版ではマミさんの願いはわからずじまいですわ。
ここのBGMは「さやかのテーマ・オルゴールアレンジ」ですわ。さやかもすぐ出てきますの。
マミ:考える余裕さえなかったってわけ
マミ:後悔してるわけじゃないのよ
マミ:いまの生き方が、あそこで死んじゃうよりはよっぽどよかったと思ってる
マミ:でもね、ちゃんと選択の余地のある子には、きちんと考えた上で決めてほしいの
マミ:わたしにできなかったことだからこそ、ね
マミさんも仁美様ターンですわ。
マミ:美樹さん、あなたは彼の夢をかなえてほしいの?
マミ:それとも、彼の夢をかなえた恩人になりたいの?
まどか:マミさん…
マミ:おなじようでもぜんぜん違うことよ、これ
さやか:その言いかたは、ちょっとひどいと思う…
マミ:ごめんね、でも今のうちに言っておかないと
マミ:そこをはき違えたまま先に進んだら、あなたきっと後悔するから
劇場版には、「彼の夢をかなえた恩人になりたいの?」に相当するセリフはありませんの。
キュゥべえ:これだけの資質を持つ子と出会ったのは初めてだ
まどか:たはは、なに言ってるのよ、もう
テレビシリーズのみ
まどか:ウソでしょ
キュゥべえ:いや
が続きますわ。
父親:そりゃあ、会社勤めが夢だったわけじゃないだろうけどさ
父親:それでもママは、自分の理想の生き方を通してる
父親:そんな風にしてかなえる夢もあるんだよ
まどかさんのお母さまが泥酔して帰ってきた場面ですが、劇場版では大人はダメなのしかいないので、理想の生き方などカットですわ。
街灯の色が違いますわ。BGMも違いますわ。
ほむら:わかってるの?あなたは無関係な一般人を危険に巻き込んでいる
マミ:彼女たちはキュゥべえに選ばれたのよ。もう無関係じゃないわ
ほむら:あなたがふたりを魔法少女に誘導している
マミ:それが面白くないわけ?
ほむら:ええ、迷惑
ほむら:とくに、鹿目まどか
同じほむらさんのセリフですが、街灯の色が違いますわ。マミさんとほむらさんのどちらに注目するかですの。
マミ:ふうん、そう
マミ:あなたも気づいてたのね、あの子の素質に
ほむら:彼女だけは、契約させるわけにはいかない
マミ:自分より強い相手は邪魔者ってわけ?いじめられっ子の発想ね
テレビシリーズのみ、バキューンという弾丸音がありますの。自分を助けてくれたまどかさんをいじめっ子の邪魔者呼ばわりしたマミさんに腹を立てたのでしょうか。とにかく、ほむらさんの敵意が感じられますわ。
かわりに劇場版ではこのカットが数秒長いのですわ。
ほむら:あなたとは戦いたくないのだけれど
マミ:なら二度と会うことのないよう努力して
マミ:話し合いだけでことがすむのは、きっと今夜が最後だろうから
マミさんは仲間が欲しい、とくに強い仲間が欲しいのですわ。ほむらさんはそれを邪魔しているだけにしか見えないから、敵対してしまいましたわ。ただし、マミさんが本当のことを言っているかどうかはわかりませんの。もしマミさんがまどかさんに恋をしていたら、それをほむらさんに言うわけはありませんわ。
ほむらさんはマミさんが魔女に殺されることを知っているから、お辛いですわね。
上条くんの病院の自転車置き場に魔女の結界ができつつありますわ。
さやか:まどか、先いって、マミさんを呼んできて
さやか:あたしはこいつを見張ってる
まどか:そんな!
キュゥべえ:無茶だよ!中の魔女が出てくるまでにはまだ時間があるけど、結界が閉じたら、きみは外に出られなくなる!
キュゥべえ:マミの助けが間に合うかどうか
さやか:あの迷路ができあがったら、こいつのいどころもわからなくなっちゃうんでしょ?
さやか:ほうっておけないよ、こんな場所で
マミさんにくっついているぶんには魔女もいいですけど、キュゥべえとふたりというのはほんとうに怖いですわ。さやかさんは実はまどかさんより臆病だから、上条くんのために勇気をふりしぼりましたの。
結界に入るところですわ。
まるいものは魔女や魔法を象徴しますの。
マミ:言ったはずよね、二度と会いたくないって
ほむら:今回の獲物はわたしが狩る
ほむら:あなたたちは手を引いて
マミ:そうもいかないわ
マミ:美樹さんとキュゥべえを迎えに行かないと
ほむら:そのふたりの安全は保障するわ
マミ:信用すると思って?
ほむら:バ、バカ…こんなことやってる場合じゃ…
いつもほど偉そうな感じではありませんわ。
マミ:もちろん怪我させるつもりはないけど、あんまり暴れたら保障しかねるわ
ほむら:こんどの魔女は、これまでのやつらとはわけが違う!
マミ:おとなしくしていれば、帰りにちゃんと解放してあげる
マミ:行きましょう、鹿目さん
まどか:あ、はい
マミさんは、得体のしれないほむらさんを信用してませんわ。当然ですの。ほむらさんはマミさんが直後に殺されることを知っているから、少なくとも劇場版では、まどかさんだけでなくマミさんの心配もしていますわ。
扉から出てきたところですわ。
魔女の結界に入った直後ですわ。手をつなぐというより、マミさんが手を引いているという感じですわ。
劇場版では、ふたりは影にはなっていませんの。
まどか:あのー、マミさん?
マミ:なあに?
まどか:願いごと、わたしなりにいろいろと考えてみたんですけど
マミ:決まりそうなの?
まどか:はい
まどか:…でも、あの、もしかしたら、マミさんには考えかたが甘いって怒られそうで
テレビシリーズではずっとふたりは真っ黒、劇場版は、セリフになってから真っ黒ですの。劇場版ではまどかの願いごとが真っ黒だという意味ですの。
まどか:おなじことが、わたしにもできるかもしれないって言われて
まどか:なによりもうれしかったのは、そのことで
口がへの字になって、うしろめたいマミさんですの。
マミ:たいへんだよ。怪我もするし、恋したり遊んだりしてるヒマもなくなっちゃうよ
まどかさんが握っていた手を振りほどくマミさんですの。
マミ:憧れるほどのものじゃないわよ
テレビシリーズでは、ここでBGMがかわりますの。劇場版は、テレビシリーズとはぜんぜん別のBGMが続きますわ。
まどか:マミさんはもうひとりぼっちなんかじゃないです
振り返ってまどかさんの手を取るマミさんですの。劇場版はここでBGMがかわりますわ。
マミ:本当に、これからわたしといっしょに戦ってくれるの?
マミ:そばにいてくれるの?
マミ:本当に、これからわたしといっしょに戦ってくれるの?
マミ:そばにいてくれるの?
劇場版は涙が大盛り、頬赤めで、BGMも弦楽器主体で「杏子のテーマ」に似た印象ですわ。マミさんはまどかさんに禁断の恋なのですわ。
まどか:はい。わたしなんかでよかったら
まどかさんはまたまた天然ですわ。
祝福されるふたりですの。
テレビシリーズのみ
マミ:体が軽い
マミ:こんなしあわせな気持ちで戦うなんてはじめて
のセリフがありますの。劇場版ではマミさんはここでは黙って戦っていたのですわ。そのかわりにはならないけど、劇場版のBGMは歌で、それっぽい詞がついてますの。
マミ:もうなにも怖くない
ここは、共通。
暖かいけど、たよりない手のつなぎかたですわ。
マミ:わたし、ひとりぼっちじゃないもの
この絵面はほむあんで再利用されますの。ほむらさんがマミさん役、つまりほむらさんがひとりぼっちなのですわ。
マミまどとは違って、おたがい手首を握ってますわ。がっちり離れませんの。
スケ番の本領発揮ですの。
マミさんが食われたあとですわ。いつもはさやかさんがまどかさんをかばってますが、ここではまどかさんがさやかさんの手を握ってますわ。本当はさやかさんのほうが臆病だということですの。
さやか:返してよ…
ほむら:ん…
「マミ公め、やっぱ死にやがった」と運命に逆らえないことを痛感するほむらさんですわ。劇場版では下のさやかに向くカットがなく、ほむらさんのマミさんへの思いが強いですわ。
ほむら:そうよ、これは魔法少女のためのもの
ほむら:あなたたちには、さわる資格なんてない
グリーフシードはマミさんの形見という感じかしら。劇場版のほうがやわらかいですわ。
テレビシリーズ、さやかさんが上条くんのお見舞いにいって入れ違いですわ。
さやか:もしもあたしの願いごとで、恭介の体が治ったとして、それを恭介はどう思うの?
さやか:「ありがとう」って言われて、それだけ?
さやか:それとも、それ以上のことを言ってほしいの?
さやか:あたしって、嫌な子だ
珍しくモノローグも入りますの。
劇場版にはこの場面はありませんわ。
鹿目家の朝食で、まどかさんは目玉焼きを見てマミさんを思い出しますの。
さやかさんは空元気ですの。
まどか:ずるいってわかってるの
まどか:いまさらムシがよすぎるよね
まどか:でも…無理
まどか:あたし、あんな死にかた
まどか:いま思い出しただけで息ができなくなっちゃうの
まどか:こわいよ、いやだよお
劇場版はBGMの使い方がぜんぜん違いますわね。同じところはとても少ない。
さやか:マミさん、本当にやさしいひとだったんだ
さやか:戦うために、どういう覚悟がいるのか
さやか:あたしたちに思い知らせるために、あのひとは…
このふたつは劇場版にはありませんわ。
美しい絵面の、さやか王子様とまどかお姫様ですの。これが平常運転ですわ。
まどか:ごめんなさい、わたし、弱い子で
まどか:ごめんなさい
まどか:(嗚咽)
マミさん宅でぉぇっするまどかさんですわ。「マミ公は強いからまかせときゃいいだろ、魔女怖いし」と思っていたことを謝っているんですの。
まどか:昨日みたいに、だれかが死ぬとこなんども見てきたの?
ほむら:そうよ
まどか:何人…くらい…?
ほむら:数えるのを、あきらめるほどに
テレビシリーズのみ、この間に車の影が通り、ほむらさんのセリフが終わってすぐBGMが始まりますの。ここから大事ですのよーということですわね。劇場版ではBGMは続いてますの。
まどか:あの部屋、ずっとあのままなのかな
ほむら:巴マミには、遠い親戚しか身寄りがいないわ
ほむら:失踪届が出るのは、まだとうぶん先でしょう
まどか:だれも、マミさんが死んだこと、気づかないの
ほむら:しかたないわ。向こう側で死ねば、死体だって残らない
ほむら:こちらの世界では、彼女は永遠の行方不明者のまま
ほむら:魔法少女の最期なんて、そういうものよ
まどか:はっ
劇場版では最初のまどかさんのセリフが終わるあたりでBGMに弦楽器が入って悲壮感が大きくなりますわ。背景も黒いし、ふたり、とくにほむらさんがマミさんを悼む感じは劇場版のほうがずっと大きいと思いますの。
ほむら:そういう契約で、わたしたちはこの力を手に入れたの
ほむら:だれのためでもない、自分自身の祈りのために、戦い続けるのよ
ほむら:だれにも気づかれなくても、忘れ去られれても
ほむら:それはしかたのないことなの
象徴でしかありませんけど、背景の暗い劇場版のほうがより暗い物語だと考えるのが自然ですの。
まどか:わたしは覚えてる
まどか:マミさんのこと、忘れない
まどか:絶対に!
やはり劇場版では、ほむマミ以外のマミさんの扱いは軽くなってますわ。
ほむら:そう、そう言ってもらえるだけ、巴マミはしあわせよ
ほむら:うらやましいほどだわ
まどか:ほむらちゃんだって!
まどか:ほむらちゃんのことだって、わたしは忘れないもん!
まどか:昨日助けてくれたこと、絶対忘れたりしないもん!
劇場版のまどかさんはどうにもあてになりませんわ。ほむらさんも軽んじられているというか、マミさんと一緒に孤独を強調されていますの。
まどか:ほむら…ちゃん?
ほむら:あなたはやさしすぎる
客観から劇場版でほむらさんの主観になりましたわ。
この場面最後のカットですけど、ご覧のあり様ですの。アップ=とても気にしている、ロング=あんまり気にしてない、ですのよ。
BGMもぜんぜん違いますわ。
さやか:なにを、聴いているの?
恭介:亜麻色の髪の乙女…
さやか:ああ、ドビュッシー?すてきな曲だよね
さやかさんの表情の違いですの。目を大きく開けているテレビシリーズは「恭介、どうしたんだろう?」、半分閉じている劇場版は「あたし、マズいこと言っちゃったかな」ってところですわ。
恭介:さやかはさ…
さやか:ん…なに?
恭介:さやかは、ぼくをいじめてるのかい?
いくら紳士でもブチ切れるときはありますわ。
眉に注目ですの。さやかさんはテレビシリーズでは困惑顔ですが、劇場版では、上条くんに言われることがわかっていたのですわ。上条くんを苦しめて自分が楽しい思いをしていることに気づいていたけど、知らぬふりをしていたんですの。自分の欲望に負けたとか、不誠実だとかのクズですわ。
恭介:なんでいまでもまだ、ぼくに音楽なんか聞かせるんだ
恭介:嫌がらせのつもりなのか
テレビシリーズは、自分が上条くんを傷つけていたことを知ってショックを受けているんですの。
劇場版は、失敗したー!という感じですわね。
さやか:だって恭介、音楽好きだから
このセリフも、心からのものと、取り繕いですわ。
上条くんが左手を頭に当てたとき、パシャッという効果音がありますの。
テレビシリーズの上条くんは、手は動くけど指が動かない感じですわね。劇場版では、腕は動くけどその先が動かないようですわ。これでは涙をぬぐうこともできませんの。
恭介:もう演奏はあきらめろってさ。先生から直々に言われたよ
恭介:いまの医学じゃ無理だって
さやかさんはここではじめてこのことを知ったのですわ。だから上条くんのために契約することをはじめて本気で考えたんですの。
恭介:ぼくの手はもう二度と動かない。奇跡か、魔法でもないかぎり治らない
かわりに上条くんのマーラーをさやかさんがシャブリエしてお口にドビュッシー…
テレビシリーズのさやかさんがあらぬ方向を見てらっしゃいますわね…
さやか:奇跡も、魔法も、あるんだよ
上条くんを見ていますの。リボンの向きが正面ではありませんわ。
ここでさやかさんはちょっと顔を上げて窓枠にいるアイツを見ますわ。アイツがいるのを見て、このセリフを言ったんですの。
恭介:ぼくの手はもう二度と動かない。奇跡か、魔法でもないかぎり治らない
劇場版のさやかさんは、上条くんのほうを見てらっしゃいますわ。
さやか:奇跡も、魔法も、あるんだよ
リボンも正面を向いていますの。上条くん視点ですわ。
さやかさんはお見舞いに来れなくなるので、上条くんの体を願いごとで治すつもりはなかったのですが、嫌われたくない一心のセリフですわ。
スチルではわかりませんが、さやかさんは目をつぶるだけですわ。去っていったアイツが戻ってくるよう念じてますの。戻ってこなかったらさやかさんはウソつきになるところでしたが…
テレビシリーズでは、さやかさんは白い悪魔の誘いに乗って「奇跡も、魔法も、あるんだよ」と言っていますわ。踏み外しちゃったけど、見たまんまのいい子ですの。
劇場版では、上条くんに嫌われたくない一心で「奇跡も、魔法も、あるんだよ」と言ってから悪魔を召喚してますわ。願いごとでも上条くんの手だけ先に治しました。実は足は治さなかった…というと鬼畜になっちゃいますわね。
仁美:生きてる体なんて邪魔なだけですわ
仁美:鹿目さん、あなたもすぐにわかりますから
仁美様が魔法少女になればもちろん最強ですが、それはともかく、仁美様はまどかさんだったり鹿目さんだったりするので困りますわ。
まどか:罰なのかな、これって
まどか:きっとわたしが、弱虫で、ウソつきだったから
まどか:バチが、当たっちゃったんだ
マミさんと魔法少女になる約束をしたのに、ならなかったことが、まどかさんのウソですわ。避難所の階段の場面でまた出てきますの。
テレビシリーズ
まどか:さやかちゃん?
劇場版
まどか:さやかちゃん!
いかにも王子様なさやかさんですの。劇場版のまどかさんは魔法少女がさやかさんだと確信してますわ。さやかさんの王子様度がアップしてますわね。
まず仁美様を助け起こすのですわ!やっぱりこのふたりは禁断の…
杏子さんがさやかさんをぶっつぶそうとしてますわ。このあとお渡し会をのぞきますの。