テレビシリーズのDVDの編集にはどうも気に食わないところがある。演出のイロハをわかっていない。責任者出てこい!は昭和のギャグ美少女♡は中学二年生です。まずさやかと杏子の別れの場面から。
これはテレビシリーズDVDの4巻の終わりのほう。BGMは「さやかのテーマ」で、抑揚は「あ↑た↑し↑って↑、ほんとバカ」と「あたしって」に重点がある。
これはテレビシリーズDVD5巻の巻頭。BGMはなく、抑揚はTS.Aとは異なり劇場版MP.Aと同じ。
こちらのBGMは「さやかのテーマ」コーラスアレンジだが、「あ↓た↓し↓って↓って、ほんとバカ」と抑揚がTS.Aとは逆で、「ほんとバカ」に重点がある。
テレビシリーズと劇場版ではさやかの性格が異なり、テレビシリーズにはTS.Aがふさわしいし、そもそも4巻と5巻で抑揚が違う理由がわからない。TS.A'は単なる導入部でしかないのだが。
次は杏子のシャッター。
テレビシリーズと劇場版は非常に近いが微妙に違う。放映版はもっとシンプルなシャッターだったと思うが…。
更生した杏子のシャッター。dアニメストアとDVDで違うということは、DVD版はブラッシュアップしたつもりだろうが、ごらんの有様で、テレビシリーズDVDは杏子の顔をシャッターの隙間にむりやり押し込んだため、彼女の顔がとても小さくなった。女優さんの顔を小さくするとはなにごとか。ここは杏子がほむらをシャットアウトする場面で、シャッターの厚さは杏子の心情の表現だから、OA.Bの薄さにも意味があって、これだけ分厚くしたらストーリー自体に影響が出る。せっかく友情が芽生えたのにTS.Bでは全力で逆戻りだ。
次は劇場版
左肩の傷が服の輪郭につながっていて、バストの形がきれいに見える。女優さんはこうでないと。
劇場版では話が変わって杏子とほむらが相思相愛になったので前に1カットはいり、この場面でもシャッターはないが
ここでさやかの魔女に向き直って分厚いシャッターを張る杏子。杏子だって辛くて背を向けてないとシャッターを張れないんですよ。
この会話は分厚いシャッター越し。でもシャッターは見せない。
苦しそうな抑揚のテレビシリーズ版と違い、劇場版は最後のさやかと同じく、どこかうれしそうな杏子。ここも分厚いシャッター越しの会話です。まだシャッターは見せない。
観客はここでようやくシャッターの全体像を見て、それが分厚いことを理解する。劇場版の分厚いシャッターはほむあんが両想いになったことを逆説的に表現していて、ちゃんとそれにふさわしい見せ方になっているし、BGMのタイミングもきっちり合わせている。単にシャッターを分厚くすればいいってもんじゃねーの。