スター:きれいだね…
ミルキー:ルン…
断じてこれはヒメユリであり、ワスレグサ(クヮンソウ)ではないであります。東映の広報が間違えたであります。なぜならワスレグサは
和歌では、夏の季語、および悲しいこと(忘れたいこと)があった心境を表す言葉として詠まれる。
忘れ草 垣も繁みに植えたれど 醜(しこ)の醜草(しこくさ) なお恋にけり— 『万葉集』巻十二3062わが屋戸の軒のしだ草生ひたれど恋忘草見れどいまだ生ひなく— 『万葉集』巻十一2475
映画とは正反対の意味であります。ヒメユリは
夏の野の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ 大伴坂上郎女 巻八1500
であり、恋の歌であります。
スター:でも、なんなんだろ、この星
スター:さっきまでと、ぜんぜん違う
ミルキー:ルン
ミルキー:これは…きっと…ミルキー:夢ルン
ララがヒメユリを見て思い出したのはユーマと仲直りしたときのことであります。ララはそのとき、地球のみんなが仲良くしてくれたことを思い出していたであります。だから、「夢ルン」というのは、みんなと仲良くするという夢であります。ひかるはこの花を知らないから
スター:でも、なんなんだろ、この星
という反応であります。
コスモ:ん?
ソレイユ:ねえあれって
スターとミルキー:はっ
スターとミルキー:ああっ
ミルキー:ねっ、そうルン
ミルキー:ユーマ
ユーマ:☆△
ひかるとララを合成したような人型のユーマであります。
ミルキー:ユーマ
ミルキー:ごめんルン
ミルキー:あたしのせいで、なんか大変なことに
関係ないであります。ララは普段は「わたし」だが、ここは「あたし」であります。アニメ一般においてはこの違いは重要であります。この映画はもう終わりなので、どういう意味かはわからないであります。
ユーマ:〇△
ミルキー:あたし、わかったルン
ララが「わかったルン」と言うのだから、想像ではなく、ララの知っていることだけでわかることであります。
ミルキー:この星は
ミルキー:ユーマがいつかなりたい星の
ミルキー:未来のイメージ
ミルキー:ユーマの
ミルキー:夢ルン
つまり、ユーマのみんなと仲良くしたいという夢であります。ユーマは無生物だから、これは実際はララの夢であります。象徴的には、ヒメユリはララのひかるへの恋心であり、それがかなうことが夢だということであります。
ミルキー:あっ
ユーマ:△〇☆
スター:そっか
スター:もう、帰る時間なんだね
ララがユーマとの別れを決意したので、それを反映して去って行くであります。
スター:地球は、楽しかった?
ユーマ:〇☆△
ララの気持ちをユーマが代返しているであります。
ミルキー:ルン?
ここだけはユーマの意志を認めてもいいであります。
本来なら最終回で使うはずだったであります。しあわせの白い羽をあしらっているであります。
ミルキー:うふっ
ミルキー:ユーマ!
ララは涙を目に蓄えているであります。
ユーマ:〇ー△ー☆ー
スターとミルキー:うん
ララはまだ涙を目に蓄えているであります。
スター:キラやば…
ララはまだ涙を目に蓄えているであります。
ララはここではじめて目から涙をこぼすであります。ララが見ているのは宇宙に帰って行くユーマであります。
ミルキー:またルン
流れ星は降ってくるイメージはよくあるが、送り出すほうはこんなかんじになるであります。
この場面の元ネタは千昌夫『星影のワルツ』であり、「星のうたに想いをこめて」の「うた」の一つであります。残りは『Twinkle Stars』と万葉集であります。まだあるかもであります。
みんなきらきら星に願いをかけるであります。ララの願いは「ひかると恋人どうしになること」であります。ユーマとまた会うことができればその願いはかなうと信じているであります。それはある意味ウソであります。ぽろっとこぼす涙はアニメでは非常に大きな意味を持ち、信念を抱く場面で使われるであります。ララであればそのウソを信じたであります。
三葉:三年前、お前はあのとき
三葉:俺に!
三葉:会いに来たんだ!
『君の名は。』でも、知っていないと気づかないレベルですが、涙をこぼす場面があるべきところにきちんとあるであります。これはセリフのとおりの信念を抱いたであります。
ひかるの涙は浮かべているだけなので、大した意味はないであります。放送分ではひかるはララとの別れで滂沱したであります。最終回でひかるが宇宙飛行士になるための苦肉の策だが、最初からそう演出するのはどんな田吾作でもやらないであります。
知念里奈さんの歌うエンディング曲であります。歌詞とコマの切り替えがよく一致しているであります。
「淋しい」は
どこからくるの?
「会いたい」想いが
連れて来る
「会いたい」は ほら、ふれあいで
積もる気持ち
気づいたら友達
ともに過ごして
紡ぎ合った思い出
おそろいだね
宝物
わたしたちは星
一所懸命
一瞬に 一生に
生命(いのち)を燃やす
どんな
夜にも灯る
熱い願い 煌めくよ
それは愛の光
彼方まで照らす
煌めくよ
それは愛の光 彼方まで照らす
アンのところだけ歌詞とコマの切り替えが一致していないであります。つまりアンはミラクルライトとおなじく愛の象徴であります。髪の毛が紫色なのがその証拠であります。ひかララについで重要な位置にいるであります。一枚目でユニが木に隠れてのぞいているであります。
エピローグであります。映画はテレビシリーズ最終二回の予行演習といった形になっており、ユーマにもらったミラクルライトはそちらで使うはずだったであります。
まどか:新しい銀河が生まれたって、ニュースで見ました
えれな:そのどこかに、あの子の星があるの?
ユニ:かもしれないわね
ララ:これはきっと、道しるべルン
ララ:いつかユーマが、あの夢の星みたいになったら
ひかる:そしたら、会いに行こうよ
ひかる:みんなで
ひかる:ロケットに乗って!
みんな:うふっ
ララ:ルン!