「ふたば」は料亭の名前だが、リンの娼館も「二葉館」という。「ほんらいはアニの役目でしたが」とカタカナになっているのは、おそらく兄は病気ではなく、すずに役目を押しつけただけだと思われる。このまんがはカタカナで書かれたことばには、文脈から判断される意味とは別の意味も持たせている。
すずは発達障害で、船の上で正座するのも、だれにでも礼儀正しくするよう母親に言われていたからだろう。
奉公先を脱走したリン。すずはだれにでも礼儀正しいが、奇行に見える。上巻32ページですずの祖母がリンの着物を修繕しているから、すずの着物の端切れだろう。
すずは優しい。このやさしさはすず本来の性格と、だれかれとなく接することができる発達障害の二つの由来がある。
人から優しいと言われたのは わたしはたぶん初めてで
すずのやさしさは他人からは奇行めいたものに映っていた。
リンはすずの祖母に着物を修繕してもらってから、屋根裏に潜んでいたと思われる。
周作とすずの結婚式。周作の表情が堅いのは、本当はリンと結婚したかったから。
周作の母親が足を傷め、嫁をもらえと圧力がかかり、リンを連れてきたが反対され、「広島の浦野すずとなら結婚する」とかぐや姫みたいなことを言ったところ、本当に見つけ出されてやむを得ず結婚した。
晴美にも礼儀正しいすず。
すずの奇行。
打ち水をしていたリンがすずに声を掛ける。字は読めないが絵ならわかる。首から小袋はさげていない。
すずが迷い込んだのは遊郭。すずは大人なのに迷子になるし、リンは大人なのに字が読めない。
リン:ほとんどがよそ者じゃし
リン:この町から出たこともない
遊女は監禁同然だった。リンは字が読めないので遊郭を出たところで行くところはない。
このまんがでは手紙や郵便物が何度か描かれるが、すずの迷いを晴らし導くものとして描かれている。
それも字が読めてこそだが。
すずがリンの肩に手をかけている。遊女の自分を見下さない女はすずがはじめて。
リンは姐さんに道を聞きにいったときに、紙をもらってきた。
もらった紙にすずに絵を描いてもらおうと思っている。リンは読み書きができないから、紙を持ち歩く意味はない。
絵を描いてほしいと切り出せず、そのまま別れてしまった。
リンの持っていた着物というのはこれ。
大人が通りすがりの人に絵を描いてほしいと頼むのが、どれだけ子供っぽくて恥ずかしいことかはリンも知っている。しかも自分は(読み書きができないから)鉛筆を持っていないことを告げなければならない。それでもようやくすずに声を掛けた。すずはあいすくりいむを知らなかったので、知っている自分はしあわせなのだと思った。
遣り手:油売んなやリン
リン:ありゃ兄さん素通りかね!!
で、リンは自分が遊女だということを思い出し
リン:ええよ
リン:こんな所へさいさい来るもんじゃない
と言った。
リンの登場時と別れぎわの花はおそらくリンの象徴の桜。
中段のコマで、すずはここが遊郭だと理解した。またリンに会いに来るつもりで二葉館の名前を覚えた。
二葉は愛の象徴。
遊郭から若い女が出てくるのはありえない絵面だが、とにかく出てきた。足取りからすずがとてもうれしいことがわかる。
あいすくりいむ……
リンはひらがなを読めないが、すずはそのことを馬鹿にしない。もっとも遊女と友だちになろうとする時点で奇行といえるが。
すずの着物の柄は「竹」で、嫉妬(深さ)の象徴。
周作が書いてくれた迷子札。死体になったときも身元がわかって便利。漢字はリンには魔法の呪文のように見えているはず。今日はリンは首から小袋をさげている。すずが絵を持ってきてくれたら入れるつもりだった。小袋の柄はすずの祖母の着物とおなじなので、作ってもらったのだろう。
リンは周作の名前なので「ホー」「ジョー」はすぐ読めるが、「スズ」はなかなか読めない。
すずの「………………」は、自分の絵を大事にしてくれるのを見て不妊のことを打ち明けたが、遊女に不妊の話をするのはとんちんかんだと気づいた。
自己紹介の「ホー」「ジョー」と、すずが口にした周作の名前で、リンはすずが周作の妻だと感づいた。
リンが嫉妬した。
「ヨメのギム」「アトトリ」は暗に径子さんのことを指している。
リンは、文盲の遊女の自分がしあわせになれないのは当然だと思っているので、嫉妬もこの程度で、最後はすずへのはげましになる。
たとえリンが周作に嫁いだとしても、回覧板は読めない。
リン:誰でも何かが足らんぐらいで
リン:この世界に居場所はそうそう無うなりゃせんよ
リン:すずさん
この世界というのは「あの世」ではない「この世」 のこと。すずにとっては居場所はそうそうなくならないかもしれないが、リンはそうではない。このまんがでは「片隅」は、原爆投下後の広島のように、あの世に近づいた場所のことだが、若い女性においてはとりわけ「好きな相手といっしょにいられないこと」であり、リンは片隅にいるが、すずに出会ったことで自分も居場所を見つけたと思い、こう言った。つまり、リンにとってすずは「好きな相手」で、二葉館はその愛というか恋の象徴。
リンは二葉館の二階からいつまでもすずを見送り、礼儀正しいすずは振り返っておじぎをした。リンの小袋にはすずの描いた絵と周作の書いた迷子札が入っており、その両方を抱きしめている。つまり、リンの周作への想いとすずへの想いはおなじくらいの大きさ。
納屋の二階ですずがリンドウ柄の茶碗を見つけた。周作がリンにあげようとしたもの。小林さんが周作とリンの縁談をぶち壊した張本人だが、ある程度までは話がすすんでいたようだ。
すずが周作の破談相手がリンだと気づいた。竹は嫉妬心の象徴。すずはめちゃくちゃ嫉妬深い。すずはリンを見下さないかわりに、正面から張り合ってしまう。
リン:美人、優雅、きれいな服、本物の炭、遊女、文盲
すず:かわいい、顔も服も泥だらけ、代用炭団、妻
すずに縁談が来たときの周作は知らない人だったので、リンの代用にされたと思った。それは事実である。自分はリンの代用品ではないと言えるためには魅力でリンに勝つ必要があるが、それは容易ではないので激しく嫉妬している。でも嫉妬深いのは本人の性格。
すずさんはたいへんに嫉妬深いのであるが、水原の手を美人声優のように両手で包んで恋心を伝えた。火のついたままのランプも恋の象徴。リンへの嫉妬が水原への恋に火をつけた。
すずは雪が降ったので遊ぶつもりで竹槍を持ってきていた。竹が嫉妬の象徴であることにはかわりはない。
リンドウの茶碗は周作の象徴である。
すず:リンさんによう似合うて
すず:じゃけえ あげます
すずさんは、リンにはお似合いの、茶碗の周作をくれてやるからそれで満足しろ、本物の周作は忘れろと言っている。テルにとっては茶碗はリンの象徴になっている。
遊女が脱走できないように一階の窓には格子がはまっている。
すず:……す 好き同士なんかね
テル:まあ 好きっちゃ好き
テル:知らん人っちゃ知らん人たい
こういう相手と心中できるテルの命はとても安いが、ことばどおりに解釈すれば、すずにとっての周作もあてはまる。
この回は20年2月だから
テル:この頃は次々船が戻って来てここは大繁盛やけん
北号作戦から戻ってきたと思われる。
テル:なんや切羽詰まって気の毒やったと
思いやりと命の安さがいっしょになった感じだが、水兵が切羽詰まるのはそらそうだろうとしか言えない。
暖い外地は……このまんがでは南国はあの世のイメージ。すずのスキンシップにより、テルとすぐ仲良くなった。
すず:水原さん
すず:あんたは笑うてくれたが
すず:うちは未だに苦いよ
「未だに苦いよ」というのは
ここで水原ではなく周作を選んでしまったこと。
すずは自分のことを「後悔しているが、楽しい夢を見ている」と感じていて、夢のほうが本当の自分なら後悔しなくていいのに、と思っている。
「後悔しているが、楽しい夢を見ている」から、周作とリンの関係を知って「楽しい夢」が覚め、後悔だけが残ってしまった。
夢が覚めたのだから、後悔のほうを後悔でなくすしかない。そのためには水原に乗り換えるか、周作を選び直すかする必要がある。
すず:周作さん
すず:うちは何ひとつ リンさんにかなわん気がするよ………
すずがリンの代用品として周作に嫁いだのは事実であり、自分はリンの代用品ではないと言えるためには、21年1月「人待ちの街」のように周作がすずを選び直すか、魅力でリンに勝つかする必要がある。すずは魅力ではリンにかなわないと思っている。逆に言えば、すずはリンをそれだけ魅力的に感じており、水原に「べっぴんになったで」と言われても勝てる気がしないが、自分の恋の対象にはなる。
中古とはリンのこと。片づけてもらえない死体で結びつけられる。
茶碗をありがとうねと言われてすずが「………」となったのは、本当は周作を忘れてくれというつもりで渡したから。言ったあとに冷や汗もかいているのでウソをついたとわかる。テルがリンに
すず:リンさんによう似合うて
すず:じゃけえ あげます
と伝えたが、リンはすずが黙ったことから真意を察した。
テルは肺炎を起こしたが医者に連れて行ってはもらえない。死体にならなければ遊郭からは出られない。左下コマはセリフでリンの涙を隠している。桜の花びらがリンの涙だから、本物の涙を描けない。
リン:会えて良かった
リン:すずさん これ使うたって
リン:テルちゃんの口紅
リン:ほいでキレイにし
リンはすずに周作のために口紅で綺麗になれと言っている。
戦時中でも化粧は女の身だしなみとされていたが、口紅のような華美なものは禁止され、手にも入りにくかった。
リン:みな言うとる
リン:空襲に遭うたら
リン:キレイな死体から早う片づけて貰えるそうな
すず:ありがとう
リンがすずに「早く死体になれ」と挑発している。リンの嫉妬はこれでおわり。死体を見たばかりのすずは発達障害なのでリンのことばをそのまま受け取って感謝した。
娘に化粧を教えるのは母親の役割だから、子供を産めないリンはすずを自分の子供にしたともいえる。テルの遺品の口紅はリンが持つべきものだが、テルが守れるよう、すずに渡した。
キレイな死体が腐っていくのを見るのは忍びないから、みんなはやく片付ける。
リンは小袋を首にかけていない。
リン:ねえすずさん
リン:人が死んだら記憶も消えて無うなる
リン:秘密は無かったことになる
リン:それはそれでゼイタクな事かも知れんよ
リン:自分専用のお茶碗と同じくらいにね
これは一般論ではなく、「人」はリンのこと。 リンは空爆から避難せずに死ぬつもりでいる。たったふたりの大事な人にしあわせになってほしいからと、自分は死体にならなければ遊郭から出られないから。「秘密」はすずがリンドウの茶碗を渡したこと。茶碗を受け取ったテルはもう死んでいる。「ゼイタク」にはそのままぜいたくと、不謹慎なぜいたくの二重の意味がある。円太郎が「ぜいたく敵じゃ」と言う。
代用食はぜいたくではないから、ぜいたくとはすずが代用でない地位を手に入れること。「お茶碗」は周作のこと。秘密がなかったことになり、すずが自分専用の周作を手に入れるとしても、それはリンの死で贖うから不謹慎。
すず:ええ またね
すずはリンの「居場所」だったのかもしれないが、すずのウソにより、それも消えてしまった。
桜はリンの象徴で、満開の桜はすずへの気持ち、花びらはリンの涙。
紅入れに桜の花びらが入る。テルのところに行くという意味もある。
リンに口紅を引いてもらったときのことを思い出している。
紅入れのふたをする。これでリンはすずといっしょにいることになる。
これはテルの口紅。空襲が激しくなり、すずが死を覚悟し、美しく装って周作を送り出した。着物は竹。
リンの遊郭があるのが朝日町。
周作はここではじめてすずとリンが友だちだということを知る。リンはおそらくこの空襲で亡くなった。
すずの大切なもの、羽ペン、ノート、口紅。すずはリンへの嫉妬に苦しんでおり、水原を選んでおけばよかったと思っている。
周作:手の事を気にしとんか
周作:空襲が怖いんか
周作:…………………晴美のことか
周作:聞こえんわい
すず:「違います」
周作:じゃあ何でじゃ
すず:………………
周作をはじめ北條家の人は、すずが広島に帰りたがるのは晴美のことを気に病み、家にいづらくなったからだと考えているが
ほれ そうやって
ふたりで全て解決出来ると思っているからです
本当はリンへの嫉妬のためなので、三人でなければ解決できない。
周作:すずさん わしは楽しかったで
周作:この一年
周作:あんたの居る家へ帰れて
周作:あんたと連ろうて歩くんも
周作:たらたら喋るんも
周作:嬉しかったで
周作:あんたは違うか
周作:ずっとここは知らん男のよその家のまんまか
周作:すずさん
晴美のことか?と聞いてもすずは違うと言うので、周作はすずを好いているからいてほしいと言っている。
すず:……聞こえん
すず:いっこも聞こえん
すず:帰る
すず:帰る!
すず:広島へ帰る!!
周作:おおそうか
周作:勝手にせえ
すずはそれでもかたくなに広島に帰るというので、周作にはすずが広島に帰りたがる理由がわからない。
周作:……そういや 白木リンの消息を知りたがっとったのう
周作:絶対教えたらん
周作:もう呉に居らんのなら関係なかろう!
周作はすずとリンが友だちだということを知っているが、すずが水原を想い続けていることも、リンに激しく嫉妬していることも知らない。「絶対教えたらん」のは、すずを帰さないための切り札のつもり。
ああ なんと冴えん
(冴えん飛行機)
こんなけが人ひとり撃ち殺せんとは
(冴えん左手)
この期に及んでこの人を離せんとは
(冴えん心だ)
あの人を呼ぶこの人の口の端に
愛がなかったかどうかばかり
気にしてしまうとは
「あの人」=白木リン。これを気にするのが「冴えん心」。すずはリンへの嫉妬に苦しみ、周作を選んだことを後悔し、広島で水原とやりなおしたがっている。「この期に及んでこの人を離せんとは」だから周作のことは好き。すずは自分がリンの代用品だと思い、嫉妬している。当初は事実だったが、このごろではそうではなくなっている。
テルの口紅で右手が描いている。水原のときもだが、手を重ねることで愛情が伝わる。
リンのかあちゃんはすずのばあちゃんに似ている。かあちゃんが死んで?とうちゃんにリンが5円で売られた。豪邸で奉公する。
リンが奉公先の悪ガキにケガさせてしまい、怖くなって脱走。
すずの家の屋根裏に忍び込み、すいかを食べた。列車の荷台にのって呉へ行く。
どういう経緯かはわからないが、遣り手に拾われる。遣り手はリンのかあちゃんやすずのばあちゃんに似ている。遣り手はリンを哀れにおもったのか、遊郭につれていく前に高級品のあいすくりいむを食べさせる。下段右はリンの最初の客、左は周作(童貞)。
周作の手にリンが右手を重ねる。美人でやさしいリンに童貞はイチコロ。「自分で行ってみい」と言うのだから、周作は朝日町が空爆されたことを知っている。
すずがくれた茶碗をテルといっしょに喜ぶリン。このときはもう死ぬつもりでいたのだが。
二葉館は全壊していた。
リンの髪ががれきにへばりついてる。リンドウの茶碗は割れていた。恋の象徴である二葉館がイメージで再生した。
イメージの二葉館には脱走防止のための格子がはまっていない。
すずはリンが空爆から避難しなかったことを知った。
秘密とゼイタクについては後述。リンが死んで嫉妬心から解放されたので、水原を吹っ切ることができる。
径子夫婦の出会いと、右はリン。
死んだリンの導きで、ふたりが再会する。死者の愛はママの愛なのです。
周作:すずさん
周作:わしとすずさんが初めて会うたんはここじゃ
すずはこのやりとりを思い出した。
自分が選ばれたのはリンより先なのだから、自分はリンの代用品ではないと納得した。あと、すずは発達障害だからかスキンシップに弱い。
すずのゼイタク
リンの「秘密」をスルーしたので、ここで考える。
鉛筆はすずのコミュニケーションの道具で、紅筆はリンのコミュニケーションの道具だ。桜の木の上ではリンは紅筆のかわりに自分の指を使ってすずの唇に紅を引いた。
すずは「べっぴん」である。こんなところですずに口紅をつける理由はないのだから、リンはすずの美しい姿を自分に見せろと言っている。
だからこれは美女同士のキス。すずもリンと目を合わせている。
すず:ごめんなさい
すず:リンさんの事 秘密じゃなくしてしもうた……………
すず:これはこれでゼイタクな気がするよ…
すずのそのままのぜいたくは、ふたりの同性愛的関係のことだったのです。
空襲があったのは20年7月、この回は20年10月なので、リンの死体は夏場に三ヶ月も放置されて白骨やミイラになっていたのです。「キレイな死体」には「美女の死体」と「美しい死体」の二通りの意味があるのです。リンは美女だから死体は美女の死体で、美しい死体でもあるのです。みんなに気づかれることなく、どんな状態になっていてもなのです。すずは瓦礫にへばりついた髪を手に取り、それを美しいと感じたのです。すずの不謹慎なぜいたくは、敗者を憐み愛おしむことだったのです。
すずは「ごめんなさい」と言うわりには悲しんでもあやまってもいないのです。友だちが死んだのにゼイタクだと言うのです。なぜならすずのゼイタクはリンが死んだことだからなのです。すずはリンの死を喜ぶことを不謹慎だとは思っていないのです。嫉妬が消え、これでやっと仲良くなれるという同性愛的関係や、敗者への憐れみ愛おしみが手に入ったのです。
人が死んだら記憶も消えて無うなる
秘密は無かった事になる
それはそれでゼイタクな事かも知れんよ
すずさん
だれがどう見ても「ゼイタクな事」は「秘密は無かった事になる」だが、すずの「これはこれで」は「人が死んだら」のほうだったのです。
すずは左手しかないが、手ぶらなのです。
リンの髪がこびりついていたのは赤丸の部分なのです。
足元に割れた茶碗があるのです。たぶん青丸の部分なのです。この日は空襲警報があったから、リンは逃げようと思えば逃げられたのです。すずは立ったまま見下ろしているのですが、これで察したのです。見下ろされるリンは敗者なのです。
すずは茶碗の破片を回収して左手に持っているのです。すずは本物、リンは茶碗の周作を手に入れ、リンは死んでその秘密を守るはずだったが、すずは茶碗の周作までリンから奪ったのです。リンのことは好きだが生きていたらジャマだから、死んでくれたら友だちでいられる、リンは死体でもキレイだからオッケーなのです。イメージの二葉館が恋の復活を告げるのです。
破片を回収中なのです。リンからなにもかもむしり取り、死んでも自分だけを見ろと言っているのです。すずさんは基本的にはやさしいのだが、恋の鬼なのです。
リンドウの茶碗を気にしているのです。
桜はリンの象徴で、満開の花はすずへの想いをあらわすのです。リンの姿はふだんのものだから、彼女の想いを絵にしたものなのです。仲良くしても、ふたりの想いの形は違うのです。
リンはこのまんがを通じてほとんどすずの右にいるのです。カラーページにいちばん近いこのコマがリンの自尊心を端的に描いているのです。
すずはこれなのです。まだ歪(いが)んでないので自尊心は高いのです。
- 「悲しんでいるときのあなたが好き」リンドウ
なのです。あんまりなのです。本当は
"I love you best when you are sad"なのです。このゲームのメッセージもいつのまにか変えやがったのです。
『この世界の片隅に』はエスまんがなのです。これが〇ビのヒミツなのです。
アニメはおなじ構図に見えて、ふたりの距離、表情、視線となにもかもが違うのです。すずが茶碗の破片を回収したことにスタッフが気づき、全力でふたりを遠ざけた結果、このようになったのです。